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ポタージュとコンソメ
ポタージュとは、フランス料理が確立する過程において、洗練されたスープ全般を指す言葉です。フランスでは、古くからある郷土料理の色彩の濃いものとは区別されています。
日本ではスープ類の中で、とろみのついたものをポタージュ、透き通っていてさらっとしているものをコンソメと呼ぶのが習慣になっていますが、本来の意味からすると間違った解釈をしていることになります。18世紀以降のフランスでは、スープの中でブイヨンの部分が重視されるようになり、その部分が主体となっていったものをポタージュという言葉で指すようになったのです。
ポタージュの中でとろみのついたものをポタージュ・リエと呼び、澄んだものはポタージュ・クレールと呼んでいます。日本で一般的にポタージュと呼んでいるものはポタージュ・リエのことであり、コンソメと呼んでいるものはポタージュ・クレールのことであるといえます。
コンソメは「完全な」という意味であり、肉と野菜を煮て出汁をとってから卵白を使って濁りと油分を凝集させて漉し取るという、大変に手間のかかるスープのことを指しています。日本ではブイヨンと混同されていて、西洋料理に使用する出汁のことを総称してコンソメと呼んでいることが多いようです。
こうなった原因は、味の素の定番商品である固形ブイヨン「コンソメ」の影響にあるようです。この商品が家庭でよく使われるようになり、単なる商品名であった「コンソメ」が徐々に西洋風の出し全般のことを意味するようになっていったと思われます。逆に言えば、この商品はそれだけ売れたわけです。
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